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アルコール消毒

今回は家庭でできる消毒の種類と、感染症を防ぐ消毒方法についてお話しします。

消毒とは?

インフルエンザなどの感染症は、外から細菌やウイルス、カビ(真菌)などの病原微生物が体内に侵入することで引き起こされます。「消毒」とは、人や物体に付着している微生物を「死滅させる」、または「除去して害のない程度まで減らす」、「感染力を失わせる」などして毒性を無力化させることを意味します。

自宅でできる消毒方法

  • 消毒薬を使う:さまざまな消毒薬や消毒方法があります。詳しくは後にご紹介します。
  • 煮沸する:沸騰したお湯のなかで15分以上煮沸して菌やウイルスを死滅させます。
  • 乾燥させる:湿度を低下させて菌やウイルスを死滅させたり、働きを妨げます。
  • 日光に当てる:日光に含まれる紫外線の働きで、菌やウイルスを死滅させます。

消毒といっても、特に難しいことはありません。たとえば、ふきんを漂白剤に浸けたり、赤ちゃんが使う哺乳瓶を煮沸したり、洗濯物やまな板を天日干しするなどの消毒は、誰もが一度はやったことがあるのではないでしょうか。菌やウイルスの中には湿度の高いところで増殖するものもあるため、よく乾燥させることも消毒方法の1つになります。

消毒薬の主な種類

  • 消毒用アルコール・エタノール:高濃度のものは幅広い微生物に有効。除菌剤の多くに配合されている
  • ポビドンヨード:結核菌・ウイルス・真菌などに有効。傷口の消毒薬やうがい薬に配合されている
  • 次亜塩素酸ナトリウム:細菌からウイルスまで幅広く有効。特にノロウイルスの汚染対策に有効
  • クレゾール石鹸液:一般細菌や真菌などに有効。トイレやゴミ箱などの消毒に使われる
  • 第四級アンモニウム塩(低水準):ベンザルコニウム塩化物などと呼ばれ、一般細菌や真菌に有効

消毒薬の使い方としては、物を浸け置きする方法、ガーゼや雑巾などにしみ込ませて拭き取る方法、スプレーなどで散布する方法などがあります。

感染症を防ぐ消毒の方法

感染症の広がりを防ぐには、「どのようなルートで感染するのか」を認識し、対策を講じることが大切です。主な感染経路は以下があげられます。

  • 感染した人に直接触れたり、ドアノブなど物を介して感染する「接触感染」
  • 感染した人の咳・くしゃみの飛沫が鼻や口から入る「飛沫感染」
  • 病原微生物を含んだ微細な飛沫核やホコリが空気中を漂うことで離れた場所でも感染する「空気感染」

日ごろからうがい・手洗いの励行やマスクを活用するとともに、必要に応じて以下の3つの消毒を行いましょう。

身の回りの物や居住環境を消毒

インフルエンザのウイルスが物体の上で生存し、他の人に感染する可能性を持つのは2~8時間程度といわれています。ドアノブやスイッチなど人が頻繁に触れるところや、感染した人が使ったものは、先にご紹介した消毒薬で清拭したり、洗剤と流水で洗っておきましょう。ドラッグストアなどで入手できる除菌スプレーや除菌ティッシュで拭き取るだけでも効果があります。

食器や食卓の消毒家庭内にインフルエンザなどの感染者がいたとしても、すぐ近くで食事をしたり、食器を共有しなければ他の家族に感染することはないと思われますが、不安な場合は次亜塩素酸ナトリウムなどの塩素系の消毒液に浸したり、食器やカトラリーを煮沸したり、高濃度のアルコールで拭くとよいでしょう。使い終わったテーブルやお盆なども、同様の方法で消毒しておきましょう。

タオルや衣類などの消毒

感染者が家の中にいる場合、家族とのタオルや寝具・衣類の共有は基本的にNGです。特にノロウイルスなど強力なウイルスに感染した場合は、感染者とそれ以外の人のタオルや衣類は分けて洗うとよいでしょう。タオルや寝具、衣類などの消毒方法には、80度以上のお湯で10分以上洗濯する方法や、次亜塩酸ナトリウムなどの塩素系消毒薬を加えて洗濯する方法などがあります。

消毒方法を知り、あらかじめ除菌・消毒用品を揃えておけば、いざという時もあわてずに済みます。