肩の長く続く痛みの原因を徹底解説!

「最近肩が痛くて上がらない…」
「そのうち治ると思っていたのに、気付けば何週間も続いている…」

そんなお悩みを抱えている方に向けて、肩の痛みが起こる背景や代表的な原因について
できるだけ分かりやすくまとめました。

「整形外科でレントゲンを撮り、骨に異常がないので五十肩ですね」
と言われたものの、痛みが続くケースは少なくありません。

肩の痛みは骨以外の組織(筋肉・腱・靭帯・関節包など)が関わることも多いため、画像
だけでは判断が難しい場合もあります。

このページでは、肩の痛みの代表的な原因や特徴についてご紹介します。
治療や症状についての詳細は別の記事で解説予定です。

三 目次

1 l インピンジメント症候群

2 l 腱板損傷

3 l 関節唇損傷

4 l 石灰沈着性肩関節炎

 

「レントゲンで分かること・分からないこと」

レントゲンは以下のような情報を確認するのに適しています。

①骨の形

②関節の隙間(関節の幅)

③骨折や脱臼の有無

レントゲンでは映らないもの

①筋肉

②腱・靭帯

③神経

④軟骨

⑤炎症の有無

これらを詳しく確認するには医療機関でのMRIや超音波エコーなどが用いられます。

まずは自分の肩の状態をチェックしましょう

肩に限らずですが、状態を理解する為には、まずは外傷」なのか「障害」なのかを区別することが大切です

「外傷」とは外力が一度に加わって起こる、明確な原因のあるケガのことです。

🔹代表例

・自転車で走行中、転倒し肩をぶつけた

・スポーツ中にぶつかって打撲した

・高所に手を上げて作業中に捻ってしまった

外傷は「いつ・何をして痛めたか」が明確なので、本人も自覚しやすい特徴があります。

急性外傷(捻挫・打撲・肉離れなど)における一般的な炎症反応のピークは48~72時間です。
しかし重度の急性外傷では1~2週間、慢性障害(使い過ぎ)では数週間~数か月
関節内炎症・腱炎などは長期化しやすい傾向にあります。

特に外傷後になかなか痛みが減らない時には、お早めに医療機関での診察をお願いします。

当院で出来ること
超音波やマイクロカレント(微弱電流)を用いる事で、炎症を早期軽減を目指します。
炎症はケガの治癒に必要な反応ですが、長く続き過ぎると逆に回復を妨げてしまいます。
その為、超音波やマイクロカレントで炎症を早期に抑えることには大きなメリットがあります。
①痛みの悪循環を改善しやすい状態を目指します
炎症が続くと…
・痛みが強くなる
・かばって動かさなくなる
・血流が悪くなる
・さらに治りが遅くなる
という負のループに入ります。
超音波やマイクロカレントで炎症物質(サイトカイン)の過剰反応を抑え、痛みを軽減することで
この悪循環を改善しやすい状態を目指します。
②腫れ(浮腫)の改善をサポート
炎症が長引くと、関節や筋肉の周囲に水分が溜まり、腫れが続きます。
組織が腫れていると…
・可動域が狭くなる
・筋肉がうまく動かしずらくなる
・血流を阻害することで組織の回復が遅れる
・痛みが増す
などの問題が起こります。
筋膜性の痛みに対しては立体動態波などを用いて、ペインコントロール(除痛)を行ないます。

「障害」とは小さな負荷が積み重なって、徐々に起こる痛みや機能低下のことです。

🔹 代表例

• デスクワークで肩こり・首痛が慢性化
• ランニングで膝が徐々に痛くなる
• 野球の投球で肩がだんだん痛くなる
• 姿勢不良による腰痛の慢性化

—特徴—

• 原因が徐々に蓄積する為、いつからか分かりにくい
• 痛みが慢性的に続く
• 組織の微細損傷・疲労・使いすぎ(overuse)が背景にあります
• 生活習慣・姿勢・筋バランスが関与

 

当院で出来る事

マッサージやラジオ波・超音波を使った温熱治療などで硬くなって
動きが悪くなっている組織に対してアプローチします。

 

また不良姿勢によって起こる、各筋肉の機能低下に対してはエクササイズなどを行なう事で、本来の動かし方を取り戻せるよう再教育を行ないます。

 

 

インピンジメント症候群

インピンジメント症候群とは?

肩を動かすときに、肩峰(けんぽう)という骨の下で腱や筋肉が挟まれてしまい、痛みが出る状態を指します。
特に挙上動作(腕を上げる動き)で痛みが出やすく、下図の烏口突起と小結節の間で挟まれてしまったり、肩峰と大結節の間で挟まれる事が多いです。

• 「肩を上げる途中で痛い」
• 「夜に肩がズキズキする」
• 「腕を上げきれない」

といった症状が特徴です。

肩の腱(特に棘上筋腱)や滑液包が繰り返し擦れ、炎症を起こすことで悪化していきます。

回旋筋腱板と呼ばれる棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋などの機能低下で上腕骨の骨頭のポジションが肩甲骨の関節窩に対する求心性を
失ってしまっていると肩甲骨と上腕骨の挙上の際の動きのリズム(肩甲上腕リズム)が乱れてしまい腱を挟み込んでしまったり、腱組織の加齢性変性
などで厚くなってしまったりするとより挟み込まれやすくなってしまいます。

日常生活で気をつけること」

インピンジメントは、日常の小さなクセが積み重なって悪化することが多いです。

① 肩がすくむ姿勢を避ける
肩が上がったまま作業すると、挟まりやすくなります。

• パソコン作業
• スマホ操作
• 料理や家事

これらの時に肩が上がっていないか意識することが大切です。

② 猫背・巻き肩を改善する

肩甲骨が前に倒れると、腱が通るスペースが狭くなります。
胸を軽く張り、肩甲骨をやや下げる意識を持つと負担が減ります。

 

③ 繰り返しのオーバーヘッド動作を控える

• 高い棚の物を頻繁に取る
• 洗濯物を干す
• スポーツ(バレー・野球・水泳)

痛みが強い時期は運動の回数を減らすことが重要です。
ただスポーツに関してはそれぞれ状況が違いますよね。健康の為に運動している人、趣味や交流の一環としてやっている人
競技としてやっている人では管理の仕方にも違いがあります。

炎症期や痛みの強い時には安静が必要ですが、それぞれの時期に合わせてただ安静にするのではなく痛みのコントロールを
しながら運動をした方が良いケースもあります。普段通われている整形外科・整骨院などの先生と話し合いながら上手く
管理をして行けると良いですね。

また普段洗濯・掃除などをしているとどうしても腕をあげる動作は必要になってしまいますよね。

なので台を使って腕をあまり上げなくて良い状態で干す、低い位置で干してから上にかけなおすように
してみましょう。痛いけど我慢出来るし…と使い続ける事が痛みが持続する原因になっている事もありますので
痛みの出ない工夫をしてみてください。

検査方法(治療院・整形外科で行われる代表的なもの)

① ペインフルアークテスト
腕を横から上げていく途中(約60〜120°)で痛みが出るかを確認します。
※肩峰下インピンジメント・肩峰下滑液包炎などの検査にもなります

② ホーキンステスト
肘を90°に曲げ、肩を内側にひねる検査。挟まりがあると痛みが出ます。

③ ニアーテスト
腕を前から上げていき、肩峰下で腱が挟まると痛みが誘発されます。
※レントゲンでは骨の異常は分かりますが、腱や滑液包の炎症は写りません。
必要に応じて超音波エコーやMRIで確認することもあります。

治療院でできること

治療院では、以下のようなアプローチで改善を図ります。

① 炎症の軽減を目的として

• 超音波治療
• マイクロカレント(微弱電流)
• 冷却(急性期)—アイシングに関しては治療業界でも意見が分かれているので場合によっては行っていません—

炎症が強い時期は、まず痛みを落ち着かせることが最優先です。

② 肩甲骨の可動域改善

肩甲骨の動きが悪いと、腱が挟まりやすくなります。

• 肩甲骨モビライゼーション
• 胸椎の可動域改善
• 姿勢調整
• 回旋筋腱板の機能改善

これらで肩のスペースを広げていきます。

③ 筋バランスの調整

• 棘上筋・棘下筋などのインナーマッスル
• 前鋸筋・下部僧帽筋などの肩甲骨を支える(安定させる)筋
これらを適切に働かせることで、再発しにくい肩を作ります。

 

 

 

 

腱板損傷

肩関節を動かす為に、回旋筋腱板(ローテーターカフ)と呼ばれる4つの筋肉があります。

腱板損傷とは、これらの筋肉の腱が傷ついた状態を指します。
部分的に切れる(部分断裂)と、腱の内部だけが傷ついている状態(腱内断裂)
完全に切れる(完全断裂)とがあります。

下図の棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋の4つが回旋筋腱板です。

肩関節は球関節に分類される人体で最も動く関節ですが、そのぶん不安定にもなりやすい構造です。

そこでこの4つの筋肉がしっかり働くことで、肩関節の運動を安定させています。
これらの筋肉の機能低下によって安定性が失われると、上腕骨と肩甲骨の動きのリズムが崩れ、狭くなった
肩関節内部の空間で組織に繰り返し負荷がかかることで損傷が起こりやすくなります。

転倒してぶつけた、手をついた…などの分かりやすい受傷機転もありますし
手を上にあげての作業を多くやった後から…とこんな事で?という分かり難い発生の仕方もあるので
注意が必要です。

腱板断裂を疑うサイン

自分で分かりやすいものとして

①外傷歴(転倒・重い物を持ち上げた直後)があるかどうか
外傷後に急激な痛み+挙上困難があれば断裂の可能性は高いです。

②年齢も大きなファクター(50歳以上ではリスク増大)
肩関節内部の組織に加齢性変性が起こり、組織の圧迫が強まる為
軽微な動作でも断裂が起こりやすくなります。

③安静時痛があるかどうか
動かしていなくても痛みがあれば強い炎症症状が疑われます

④夜間痛(寝ている時の痛み)があるかどうか
痛みで目が覚める、寝返りがつらい
特に横向きで痛みが強い(仰向けでも痛みを訴えられる患者さんもいます)

⑤腕をあげようとしても途中で落ちる、あげた状態での保持が困難
これは治療院などの検査でも用いられるドロップアームサイン陽性にあたる可能性があります。

※これらの症状がなくても腕を上げる動作で肩が痛いという状態が長く続く、もしくは
繰り返す場合には一度専門の医療機関への受診をおすすめします。

腱板損傷の確定診断

腱板損傷の確定診断には整形外科でMRIを用いて診断が行われます。
MRIでは

①断裂の有無・深さ・範囲

②脂肪変性
※脂肪変性とは通常は脂肪を蓄えない細胞質内に中性脂肪(脂肪滴)が異常に蓄積して、細胞の機能が低下、
または変化する状態のことです。

代表的なものでは
肝臓(肝脂肪変性):脂肪肝とも呼ばれるものが多い

筋肉(骨格筋の脂肪変性):使われない筋肉が脂肪に置き換わる現象で、サルコペニア(筋肉減少症)の要因になります。腱板断裂などの後に見られることが多いです。

③腱の後退
切れてしまった腱が、筋肉の収縮によって縮み、腱が肩関節の中の方へ引き込まれます。
断裂が長く放置されると後退した腱が筋肉の脂肪変性(萎縮)を伴うため、予後の悪化に繋がります。

など、治療方針を決める為の情報を得る事ができます。

※当院では状態を評価し、必要に応じて医療機関の受診をお勧めさせて頂いております。

当院で出来る事

急性期(炎症期)ではまずは炎症を抑えることと、痛みのコントロールをするのを優先に治療を行ないます。
患部の過負荷を避けながら、肩甲骨周囲の過度に緊張しているところを緩めていきます。

患者様の状態を伺いながら極力痛みが出ないように治療を行なうのでご安心ください。

また外傷ではなく機能的な問題で慢性的に肩関節に負荷がかかっていての腱板損傷や断裂は、一旦痛みが無くなっても
再発の可能性が高いので、肩甲胸郭関節の安定性や、上腕骨を肩甲骨にしっかり引きつける(求心性を高める)役割を持つ
インナーマッスル(棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋)を上手く使えるようにエクササイズなどで再教育を行ないます。

詳細に関しては「腱板損傷」に関して詳しい記事を作成したいと思います。

 

関節唇損傷

関節唇損傷とは…を説明する際に、まず関節唇ってどこ?という感じですよね。

スポーツ番組を見ている方でしたら名前くらいは聞いた事があるかもしれませんね。

関節唇は上図のピンク色のマーカーの部分で、肩甲骨の関節窩を覆う唇(くちびる)のようになっている線維性軟骨組織です。

関節窩と上腕骨の関係はゴルフのティーとボールのような感じになっていて、受け皿の方が圧倒的に狭い構造になっています。
これでは不安定なので、その受け皿を広くするように関節唇が覆っています。

関節唇は人体では“肩関節”と“股関節”に存在します。

関節唇の役割

①関節の深さを増す
②衝撃を吸収する
③関節の安定性を向上させる
④関節液を保持する

肩関節唇の特徴と機能

肩関節の関節唇は、肩甲骨の関節窩(グレノイド)の縁を囲む約3〜4mmの高さを持つ組織です。

その主な機能は:

  • 上腕骨頭の安定性を向上させる
  • 関節に加わる衝撃を吸収し、軟骨を保護する
  • 上腕骨頭を関節窩に引き付ける吸着効果を持つ
  • 肩の靭帯や上腕二頭筋長頭腱の付着部として機能する

 

関節唇損傷の種類

 

関節唇損傷には外傷など、転倒して手をつく、強く腕をひっぱられる、交通事故などでの強い衝撃など
脱臼によって関節唇損傷が起こるバンカード損傷

または非外傷性(オーバーユース)
野球の投球動作や、テニスのサーブなどのオーバーヘッド動作の反復などで損傷するSLAP損傷などがあります。
(※上腕二頭筋長頭腱の牽引ストレスの蓄積による)

バンカート損傷(関節唇の前下方から剥がれる)
脱臼などの外傷後に併発して起こることが多く、脱臼整復後に痛みが続く場合には注意が必要です。

バンカート損傷の合併症としてヒルサックス損傷といわれる上腕骨頭の後外側に骨軟骨の陥没損傷を生じるものがあります。

SLAP損傷(関節唇の上方から剥がれる)
普段やっている動作の反復で症状が出る為、なかなか気付かれづらい事があるので注意が必要です。

 

外傷や、脱臼整復後の痛みや不安定性、オーバーヘッド動作が多い方などに起こる肩の痛みにはこれらの損傷が隠れている可能性があります。

必ずしもという訳ではありませんが、痛みが長く続くようであれば一度医療機関への受診をおすすめします。
※また後日、関節唇損傷に関して詳しい記事を書きたいと思います。

 

石灰沈着性肩関節炎

石灰沈着性肩関節炎は、肩の腱板にリン酸カルシウム結晶(石灰)が沈着し、炎症を起こす病気です。
40〜50代の女性に多く、安静時の痛みや夜間の痛みを訴えられる方が多いです。

これは肩関節に石灰が沈着することによって炎症による痛みが出るのですが、臨床的には石灰が溜まっている
場所だけに痛みが出る訳ではなく上腕下部や、背中の方にも放散痛を訴えられている印象もあります。

特にこれといった原因がなく、急激な肩周辺の痛みが出て来た場合には一度検査をお勧めします。

検査は石灰沈着であればレントゲンで診断が可能です。

レントゲン撮影で石灰の影が映らなかった場合は腱板損傷や関節唇損傷などの可能性もありますので
医療機関の先生と相談してみてくださいね。

※画像イメージはAIで作成しております

 

なぜ石灰が溜まるの?

• 腱板の血流が乏しい部位がある
• 加齢による腱の変性
• 肩の使いすぎ
• ホルモンバランスの影響(女性に多い理由)

• 急性期は炎症が強い為、安静時にも強い痛みを訴えられる事が多く、痛みで眠れない…目が覚めるといった訴えが多いです。
• 肩を少し動かすだけでも痛く、著しく肩関節の可動域制限が起こります。

• 腫れ・熱感を伴うことが多い
• 数日〜数週間続くことが多い

治療

2-3週で自然に軽快することが多いですが、発症数日間の激痛例に対しては整形外科で
石灰巣の穿刺・吸引や、副腎皮質ステロイド注射などで痛みの緩和を行ないます。

正直、急性期の激しい痛みに対しては整骨院では出来る事は少ないです。

アイシングやマイクロカレントなどの治療を3日間続けても強い痛みに変化がなければ
一度画像診断をすることも視野に入れてみてください。

まとめ

今回ご紹介させて頂いた、インピンジメント症候群、腱板損傷、関節唇損傷、石灰沈着性肩関節炎ですが現場で患者さんをみていると
症状の訴え方はそれぞれです。仕事内容や家庭環境、損傷や炎症の度合い、体の機能、普段の体の使い方、使う頻度、痛みの感受性などの要因によって痛みの感じ方や訴え方
は変わってきます。

過去に大きなケガや病気をした事がある人は、この程度は大丈夫だ!と思うかもしれませんし、歳だから多少痛いのは仕方がない…と
諦めている方もいらっしゃいます。

ただ、やはり肩を上げるとずっと痛いといった状態は本来であれば考え難いですし、本当に歳のせいで痛いのか?といった疑問は
もっても良いのではないかと思います。(改善を目指せるケースもある為)

本記事を見て、今の症状はなにが痛みを引き起こしているのか?痛みが出る原因は筋肉?骨の問題?姿勢(アライメント)の問題?
関節包の問題?靭帯?腱?関節唇?を確認して、本当に仕方がないのか、改善が可能なのかな?と思ったら整骨院・整形外科の受診のきっかけになれば幸いです。

きっとあなたの身体を真摯に診てくれる先生がいると思います。お近くの治療院で自分にあった所を探してみてください。

通院可能な場所にお住いの方は、是非当院にお身体のお悩みをご相談くださいね。

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井の頭整骨院

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